・淀川は、約100年目に開削された新淀川と、元々の本流だった大川に分かれている。上流に琵琶湖をもつため、比較的流量は安定している。
・十三干潟付近は、海水と淡水が混じる汽水域。満潮時には、潮が上がって、塩分濃度が濃くなるが、海水は比重が大きいので、淡水の下にもぐりこんでくる形になる。
・潮の干満の影響を受ける干満域は、汽水域とは別で、淀川大堰ができるまでは、毎日発生する干満の影響によって、淀川のかなり上流域まで冠水域(水に浸かったり乾いたりする場)になっていた。城北わんどよりもっと上流のわんどの環境にまで影響しており、そうしたわんどがイタセンパラなどの淀川固有の魚類の生息地となっていた。
・淀川大堰によりこうしたはたらきが失われ、現在は、淀川大堰で汽水域・干満域も終わっている。大堰より上流域は干満による冠水が起きなくなり、加えて、大堰により上流部の"ため池"化が進み、湖沼の環境を好む外来魚(ブラックバス、ブルーギル等)の温床となっている。
・十三干潟は、中上流から流れ込む砂や泥が堆積してできた河口干潟。しかし、自然にできた干潟ではなく、水制工の影響もあって干潟ができている。大潮の干潮時には、干潟の本流側に、水制工の頭部(T字部)が姿を現すこともある。
・十三干潟の植生を見るとヨシが生い茂っていることがよくわかる。今はちょうど穂が出ており、秋の穂は花。ヨシはこの花からできる種子でも増えるが、この辺りのヨシは地下茎で増えることの方が多い。
・ヨシよりも高い位置に生えているヨシはセイタカヨシ。外来種で、冠水域よりもう少し乾燥したところに育つ。ヨシは1年で枯れるが、セイタカヨシは多年草で枯れない。
・今日の塩分濃度は2.4%(表層水の濃度)。表層水の濃度が2.4は高く、海水は3.0〜3.3、淀川大堰から放流される淡水が含まれるとほとんど0%に近くなる。